赤字の責任おわされうつに:IT業界

赤字の責任を1人で負わされる

 このころ,福山さんはB社長からたびたび叱責を受けるようになっていた。「オマエも新人5人も残業が多すぎるんだよ。これじゃ,この案件は赤字だ。何とかしろよ!」。

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 強引な拡大路線に早くもほころびが生じ,社長がいらついているのは分かった。それでも,この言葉には我慢ならなかった。仕事に不慣れな新人の生産性が低いのは当たり前。教育指導を一手に引き受ける福山さんも含めて,残業しなければ追いつかない。それに,福山さんは毎週土日の自宅作業を自発的にサービス残業にしていた。

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 しかも『そもそも赤字の原因は甘い見積もりにある』と福山さんは考えていた。B社長は受注を取るため,工数を少なく見積もっていた。3人日で見積もった画面の開発工数が1人月に膨れ上がることもあった。それを,福山さん1人のせいにされてはたまらない。

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 土日もなく早朝から深夜まで働き詰め。社長からねぎらいの言葉はなく,赤字の責任を押しつけられ責められる日々。それでも福山さんは,慕ってくる新人を前に「会社を辞めよう」とは考えなかった。30代半ばの年齢も考えて最後の職場にする覚悟を決めていた。しかし,心と身体が持たなかった。

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 十二指腸潰瘍を発症し,さらに不眠症に悩まされた。うつ病の症状が表れたこともあり,限界だと思った福山さんは200312月,医者の薦めに従い3カ月の休職を願い出た。それに対してB社長はこう言い放った。「今休めないことぐらい分かるだろう。この案件が終わるまで無理だ」。福山さんには反論する気力も残っていなかった。

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 さらに3カ月にわたって仕事を続けたことで,福山さんは重いうつ病を発症した。そして休職。その後,保険料の負担などをめぐってB社長ともめたことがきっかけで,自主退職した。外出して人と話せるまでに回復したのは,最近のことだ。生活のため仕事に就かなければならないが,再びプログラマとして働く気力はもう残っていない。

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要約記事本文はこちら↓

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IT業界の弱者]社長の甘い見積もり 自分1人に責任転嫁

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http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090216/324830/?ST=system

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