/216 第6章 24=高村薫 多田和博・挿画監修


母親といっても、物心ついたころから入退院を繰り返し、自分と同じ精神障害者保健福祉手帳を持っている何者かと言ったほうが正しい。しかも、向こうは自分より重い二級で、料理は下手だし、掃除や洗濯はしないのだ。そんなふうだから母親という感じはもったことがないし、もとよりいてもいなくても気にもならない。正確に言え ...